「進化する団地」の魅力。なぜ今団地が注目されているのか?

みなさんがイメージする団地とはどんなものでしょうか?
私たちが団地と聞いてイメージするのは、「公営団地」や「公団住宅」のことではないでしょうか。

ここでは、案外知られていない団地の種類と今注目されている「団地の魅力」についてご紹介します。

団地にはさまざまな種類がある

マンション

スイマー / PIXTA(ピクスタ)

実は「団地」という呼称に公的な定義はありません。

そもそも団地とは、計画的に作られた一団の住宅(住宅団地)の総称を指しますので、マンションタイプの共同住宅が何棟も連なっているものだけではなく、一戸建てが相当数連なっているものも団地と呼ばれます。

ただ、一般的に私たちが団地と聞いてイメージするのは、「公営団地」「公団住宅」のことではないでしょうか。

公営団地(公営住宅)とは、自治体が管理運営する住宅団地(都営、県営、市営など)で、所得の少ない人や住宅に困窮している人が、一般的な賃貸住宅に比べて安価な家賃で入居することができる、いわば「住まいのセーフティネット」です。

一般的に公営団地は定期的に入居募集が行われ、応募が多い場合は抽選となる場合もあります。

また、入居には収入制限(一定の水準以下であること)、一定の家族構成であること、住宅に困窮している等の応募資格を設けているのがこのタイプの団地の特徴です。

一方、公団住宅とはUR都市機構(独立行政法人 都市再生機構)によって管理・運営されている住宅団地です。

公営団地(公営住宅)が「住まいのセーフティネット」という趣旨のものであることに対し、公団住宅は「住宅不足を解消するために供給されたもの」であるため、賃貸だけではなく分譲タイプの住宅も多数あります。

進化する公団住宅

マンション

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現在のUR都市機構は「日本住宅公団」として1955年に設立され、その後、何度かの統合などを経て2004年に独立行政法人化されました。

このUR都市機構がこれまでに建てた団地の総戸数は883,008戸にも上ります(2015.3.15時点)。

建物や施設の老朽化が進むにつれ、これまでは「間取や設備が今のライフスタイルに合わない」などの声が多く聞かれた公団住宅ですが、実は今、多くの公団住宅が現代のニーズに合わせてリノベーションを行ったり、大規模改修を行ったりしています

公団住宅のうち賃貸タイプ(UR賃貸住宅)のなかには、無印良品やイケアなどの民間企業とUR都市機構がコラボしたリノベーション物件などもあります。

いま、公団住宅は以前の「古い」「使いづらい」といったイメージから脱却し、新たに進化しようとしているのです。

手頃な価格で購入できる公団住宅はリノベ向き

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分譲タイプの公団住宅は築年数の古いものが多く、また5階建てまでの物件はエレベーターが設置されていない等のデメリットもありますが、その分取引価格も低めの傾向となっています。

公益財団法人不動産流通推進センターが運営する不動産情報サイト「不動産ジャパン」には、東京都内でも都下であれば、専有面積が60平米を超えても1000万円以下で手に入る公団住宅が数多く登録されています(2019.6.21現在)。

手頃な価格で購入できる分譲タイプの公団住宅は、まさに「リノベーションを楽しみたい人」向きといえるでしょう。

団地は生活支援機能を備えた「ひとつのまち」

千葉ニュータウン

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敷地の内外に商店街や学校、病院、児童館など、さまざまな生活支援機能が備えられている団地は、計画的につくられた「ひとつのまち」ともいえます。

しかし、まち機能を備えている団地も、その施設や設備の老朽化、居住者の高齢化、空き家の増加など、問題も少なくありません。

そこで、UR都市機構では「持続可能なまちづくり」を目指して団地再生事業に取り組んでいます。

これまで多摩平団地(東京都日野市)や向ヶ丘第一団地(大阪府堺市)、ひばりが丘団地(東京都東久留米市)などが「自治体、事業者、住民、地権者等」と協力し、それぞれの団地の持つ特性を生かしながら、建替えや大規模改修などを行い、現代の社会ニーズに沿った新しい「まち」として再生されています。

団地の再生は「まちの再生」であるともいえるでしょう。

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よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA(ピクスタ)

今回ご紹介した団地再生事業やリノベーションについての魅力だけではなく、もともと団地の特徴だった入居者同士のしっかりしたコミュニティーや、広い敷地にゆったりと建てられた建物配置、緑の多さ等、団地の魅力は他にもたくさんあります。

今あらためて団地の持つ「住まい力の高さ」が多方面から注目されているのです。

※参考
UR都市機構ホームページ

Source: 日刊住まい