ハチの巣の駆除が不動産会社にとって重要な理由とは?

不動産というものは生活の場であり、その中でも大勢の人々が集団を送る場であるマンションやアパートでは24時間365日、何らかの問題が発生する可能性があります。

業界歴が長くなってくると何が起こっても驚かなくなるものですが、それでも「そんなことまでやらなきゃいけないのか!」と驚くことはあるものです。

筆者が不動産業界歴19年目にして初めてやった業務がハチの巣の駆除でした。

夏場にハチが凶暴化する理由

スズメバチ

松屋 / PIXTA(ピクスタ)

今年は5月にして早くも真夏日やら猛暑日といった言葉がニュースを賑わすなど例年より気温が高いようですが、そうなってくると熱中症とともに心配しなければいけないのがスズメバチやアシナガバチといったハチからの襲撃です。

ハチが人間を襲うのは巣を守ろうとするためで、繁殖が最盛期を迎えて巣が大きくなると特に狂暴になります。

春になって冬眠から覚めた女王バチは一匹だけで巣をつくり始めますが、この段階ではまだまだおとなしくて危険度も低く、たとえスズメバチといえど人間を襲って刺すようなことはほとんどないそうです。

しかし働きバチが誕生する頃になると巣も次第に大きくなり、夏場を迎えると働きバチの数も増えて繁殖もピークとなり、そうなると巣を守るためハチは人間を刺すそうです。

社有車にはハチの巣駆除用のスプレーが常備

駐輪場

YNS / PIXTA(ピクスタ)

これまで、新築マンションの分譲や管理、賃貸物件の営業を経て最終的に地場の不動産業者で賃貸管理業務に従事しました。

アパートや戸建てを多く含む賃貸物件と鉄筋コンクリート造の分譲マンションとでは業務内容がかなり異なりましたが、物件の入居者からかかってくる電話にハチの巣の駆除を依頼してくるものが多かったことに特に驚かされました。

しかし駅前の不動産業者にとって、このような話は日常茶飯事のようで、社有車にはハチの巣駆除用のスプレーが常備されており、通報があれば誰もが「またか」といった表情で飛んでいきます。

そんな状況では「やったことがないからできません」などとは言っていられません。

実際の駆除作業とは?

虫取り網

Ino / PIXTA(ピクスタ)

実際の駆除作業はそれほど大げさなものではありません。

両手に駆除用のスプレーを持ち、ハチの巣に向かって一斉に噴射します。

ハチからの反撃を避けるため巣の表面からハチが完全に姿を消すまで徹底的に噴射し、虫取り網を使って巣を落としてしまえば終了です。

一度だけソフトボール大になった巣を駆除したことがありますが、この時はまず網で巣をくるみ、網の外からスプレーをこれでもかと噴射しました。

大切なのは徹底的な先制攻撃でハチをすべて叩いてしまうことで、ここで躊躇してしまえば生き残ったハチに攻撃されて刺されてしまいます。

当然のことながら自分たちの手に負えないような場合は専門業者を手配します。

地味ではあるが大切な業務

ハチの巣

happyphoto / PIXTA(ピクスタ)

駅前の不動産会社は外部から見るとゴリゴリに営業している会社とのんびりした雰囲気の会社に二極化されると思います。

何人もの営業がカウンターに並び店頭でBGMが流れているような会社に対し、外からはヒマそうにしか見えないという会社も確かに存在します。

仲介手数料しか売り上げの手段がない会社に対し、管理物件を数多く抱える地元に根付いた業者の場合、契約業務に加えてこのような地道な活動が日々の活動の中心になります。

ハチの巣の駆除というのは不動産会社にとって地味ですが実は大切な業務なのです。

※参照 スズメバチの種類と生態(千葉市)

Source: 日刊住まい