川崎殺傷事件から考える「8050問題」の深刻さ

小学生ら19人を死傷し、事件現場で自ら命を絶ったのは51歳の男性。80代の伯父と伯母と同居し、引きこもり傾向にあったという。

ひきこもり・ニート状態に陥った人たちを支援する業界には「8050問題」という言葉がある。無職の子どもが親とともに歳を取り、80代の親と50代の子という状態になることを指す。

何が“問題”なのかと言えば、親に収入がなくなったり、親の方に介護の必要が生まれることが問題で、該当する親子がそろって孤立死したケースまで既にある。

川崎殺傷事件は親ではなく伯父・伯母との同居だが、自分には「8050問題」の深刻さを世に突き付けているように思えてしかたない。

ちなみに若年雇用問題が深刻化したのは団塊ジュニア世代(1971年から1974年までに生まれた世代)が社会に出る時期とバブル崩壊が重なったことが大きかったと言われる。その団塊ジュニア世代も現在40代後半にさしかかっている。

もちろん団塊ジュニア世代以前にも引きこもる若者はいたが、数の上では「8050問題」はこれから本格化する問題だろう。その矢先での今回の事件……。

正直に言って「8050問題」という言葉を久しぶりに思い出したが、「見放され、取り残されてきた人たちに私たちは向き合わざるを得なくなってきた」というのが自分がこの事件から受け取ったメッセージだ。

この問題は民間では解決困難だと思い、自分はより若い世代に対する予防的アプローチ、つまり将来無職になる若者を減らすことを目指すようになっていた。それは11年前(2008年)から。

「8050問題」は経済問題だけではない。居場所や尊厳、愛情の問題でもある。だとしたら、40代はあまりに遅きに逸している。

民間だけでは解決できないし、おそらく国・行政だけでも解決できない。もはや、解決そのものが不可能かもしれない。

あらためて、今そしてこれから、自分に何ができるか考えてみたい。また、より多くの人に考えてみてもほしい。特に最近SDGsに関心を持つ人が増えてきているように感じる。SDGsのコアコンセプトは「“誰一人取り残さない”世界の実現」。「8050問題」の当事者は、この世界から取り残されてきた人たちだ。

考え、想像したい。もう一度「8050問題」の背景や日々の生活や心の動きなどを。その上で、何をすべき(できる)かを。

Facebookより転載

Source: ハフポスト