二世帯住宅には3つのタイプがあるってご存知ですか。
1.完全分離タイプ、2.部分共有タイプ、3.完全同居タイプの3つです。
コストの高さは、1.完全分離>2.部分共有>3.完全同居、の順になります。
経済的な事情もあってか、近年は二世帯住宅の依頼が多くなってきたと感じています。税金の優遇措置も整備されたということも一因としてあるでしょう。
二世帯住宅といってもそのタイプはいくつかあり、家族同士の関わり方にも影響してくる大事なポイントになってきます。
そこで今回は二世帯住宅の3つのタイプを詳しくご紹介していきたいと思います。
1.完全同居はにぎやかに楽しく暮らしたい方向き
このタイプはにぎやかに楽しく暮らしたい方に適したタイプです。
ごはんも玄関もいっしょ、まさにひとつ屋根の下というスタイルです。

kou / PIXTA(ピクスタ)
特に近年では子世帯の夫婦両方が仕事をする場合が増え、親が孫の面倒を見たり、また親の介護、看病などの世話が必要な場合など、家族がお互いに助け合える関係をつくることができるパターンではないかと思います。
2.部分共有はほどよく距離を取りたい方向き
部分共有はキッチン、リビングなど皆が使用する場所を決めて共有し、個室は分けるというパターンです。
プライベートな部分と、相互のコミュニケーションという部分がある程度両立できることがこのパターンの特徴になるかと思います。

cba / PIXTA(ピクスタ)
皆で空間を使うということから、共有スペースを広く余裕ある大きさとすることになるでしょう。
そうすることで通常よりも豊かな空間を創出できるメリットがあると思います。
3.完全分離は干渉し合わない距離感を設定したい方向き
最後は親と子それぞれの世帯がはっきり分かれているタイプです。
玄関も別々で、親と子各々の住居が合体しているイメージですね。
この形態にする理由は、世帯間で干渉し合わないような距離感を設定するためです。

千和 / PIXTA(ピクスタ)
人によっては働き方などにより、生活時間帯にもある程度ずれがありますので、それらを解消するうえでは適していると思います。
たとえば2階建てなのであれば、1階は親世帯、2階は子世帯というように世帯が住む階層を明快に分けるかたちがわかりやすいでしょう。
3つのパターンの建設コストの比較
3つのタイプについては大まかに理解できたかと思いますが、プランニング以外に大きく比較対象となるのは建設コストです。
大小をあらわすと、完全分離>部分共有>完全同居の順となります。
完全分離パターンですとキッチンや水周り等を世帯ごとにそれぞれ設けないといけません。
つまり家2軒分まるまる建てるのに近いため、それだけコストが発生します。
反対に部分共有パターンではたとえば玄関や水まわりが共有であればその分はコストが削減されますし、完全同居パターンになってきますと個室以外は共有のスタイルとなるのでさらにコストが削減されます。
しかしながら完全分離パターンは建物を運用していくことも視野に入れて考えると、将来的に親世帯の場所を賃貸として活用することが可能になります。
実際そう考えて建設する人が多くなりました。
いかがでしたか?
二世帯住宅の基本タイプは3つですが、これからより多様な生活スタイルが生まれてくることが考えられます。
時間の経過によって家族やライフスタイルも変化します。
そのとき、家をどうしていくかを考えなくてはいけない時代になっている、ということをご計画の際はぜひ検討していただければと思います。
Source: 日刊住まい