マンション管理最大の難関とは?【サラリーマン理事長、100年マンションを目指す】

今回はマンション管理組合における最大の難関についてのお話です。

サラリーマンが仕事の経験を生かし、マンションの維持管理をする上で最大の難関ともいえる、年齢や職業の違いなどによって発生する「価値観の違い」を乗り越える方法についてご紹介したいと思います。

ちょっと気が楽になる話

大規模修繕

ABC / PIXTA(ピクスタ)

いきなり余談ですが、先日私のマンションではとうとう大規模修繕の予算が総会承認を得ることができ、施工業者も決まりました!

これで100年マンションの大きな一歩を踏み出せたわけですが、大規模修繕計画のような大きな話題がない年は理事会の打ち合わせがそれほどあるわけではありません。

私も9年間理事会に関わっていますが、通常時は2~3か月に1度の理事会しか開催しませんので、年に数回しか顔を合わせることがありません。

その数回の理事会で、課題を解決し、マンションという自分たちの資産を守ることができ、かつマンションの価値が上がるのであれば、年に数時間を投資する価値は十二分にあると思いますが、読者の皆さんはいかがでしょうか?

 

マンションには目的やビジョンがない

マンション

スイマー / PIXTA(ピクスタ)

管理組合が主体的かつ継続的にマンション管理を行っていく。

これこそが唯一の打開策であり、マンション管理は会社という組織に似ていると以前お伝えしました。

ただし、マンションと会社には大きな違いが2つあります。

1つ目は、マンションには目的やビジョンがないこと。

2つ目は、住んでいる人の種類がバラバラであること。

この2つは決定的に会社と違います。

会議

Greyscale / PIXTA(ピクスタ)

大きさは違えど企業体であれば、基本的には会社の存続する目的やビジョン、年間の売り上げ目標などがあると思いますし、少なくとも従業員は全て同じ業界の方。

それがマンションという集合体になると、年代や職業はもちろん、なぜこのマンションに住んでいるか、どのように住まうかなど全ての理由がそれぞれの居住者ごとに異なります。

年齢は高齢者から子育て世代まで幅広く、職業も多種多様で建設業界の方もいれば、スポーツ選手もいて、IT社長や書道も先生がいる、といったことが当たり前に起こりえます。

これは会社では絶対に起こりえないことで、マンションと会社の大きな違いです。

ビジョン

違う見方をすると、業界用語が通用しない、つまり共通言語が存在しない。そんな状態でマンションの維持管理をすることは極めて難しいですよね。

価値観が違うから話がかみ合わない、それぞれ住まう目的が違うから解決方法も違う。

これこそがマンション管理の最大の難関だと思います。

その難関を乗り越えるために、私が理事長を務めるマンションでは、ビジョンを作り、優先順位を作り、考え方をまとめました。

 

ビジョナリーマンションのすすめ

代々木

naka / PIXTA(ピクスタ)

みなさまの住むマンションにビジョンはありますか?

そもそもこういった質問をされること自体がはじめてかもしれませんが、100年間でマンションの維持管理を考える上で必要不可欠、避けては通れない大きなテーマだと私は思います。

昨年、私が理事長を務めるマンションでは、以下のようなビジョンを掲げて、大規模修繕計画の策定を進めました。

「100年間、安心安全で、代々木で最も美しく住まえる、ヴィンテージマンションへ」

管理組合メンバーや管理会社はもとより、このビジョンを居住者の皆様にもカラーコピーで配布しました。

マンションが100年という期間を視野に入れていること、美観に重点を置いていること、また最優先は安心と安全であること。

これを何度も繰り返し説明したところ、不思議なもので、少しずつですが共通言語ができ、マンションが大切にしている考え方が一致して来たような気がします。

 

マンション管理は気持ちを一つにすることが大切

ビジョン

多様な職種、年代の方たちを一つにまとめることは確かにチャレンジですが、見方を真逆にして考えてみると、実は、マンションで最初にビジョンを作るのはとてもやりやすいです。

理由はシンプルで、はじめてだから。

読者の皆様の会社では既成のビジョンやプロセスそのものを変えるのはいつも大変だと想像しますが、一から作る場合はそれに比べて圧倒的にスムーズです。

また、会社勤めをしている限り、会社のビジョンを作ったり、自分の作った方針で成果を出すには、自分で起業するか社長になるくらいしか選択肢はありません。

それがマンションであれば、自分でリードし、方針を決めることが可能。

この経験は、いま働いている会社などでも必ず生かせる力となると感じています。

ビジョン

さて、全3回に渡って、サラリーマンがマンション管理に関わるメリットをお伝えしてきましたが、いかでしたでしょうか?

会社の中枢にいなければ出来ない意思決定が、マンションの理事会であれば自分の想いを反映しやすい。

こういった経験ができる場所は、それほど多くないと思います。

次回からは、具体的な修繕の話に移っていきたいと思います。

Source: 日刊住まい