まるで戸外のような空間!天窓からの光と木に包まれた家【住まいの設計】

小学生の子どもをもつ齋藤さん夫妻は、のびのび子育てをしたいと、借景の緑を眺められる土地を購入。

そんなご夫妻の思いを受け、建築家の布施木綿子さんは「林の中にいるような空間づくり」を目指したといいます。

樹種を多く使うなど、特徴的な斎藤邸。どんな住まいができ上がったのでしょう。

「林の中にいるような」空間づくり

齋藤さん夫妻が設計を依頼したのは、「アーティスティックだけど派手ではなく、シンプルな感じ」が好みに合うと感じた、佐藤・布施建築事務所でした。

一般の住宅と少し異なるのは、いわゆる玄関はなく、ウッドデッキからリビングへダイレクトにアプローチすること。

デッキから木製サッシを開けるとすぐにタイル貼りのリビングが広がります。

齋藤さんの家

こちらがそのリビングです。

日当たりのいい明るいリビングは、長男の遊び場にもなっています。

齋藤さんの家

その先に進むと、木をたっぷり使用したダイナミックな空間が広がります。

齋藤さんの家

見上げる吹き抜けは下見板張りの壁で囲まれ、天窓から光が降り注いでいます。

布施さんが目指した「林の中にいるような空間」が実現しました。

深呼吸をしたくなるような爽やかさを感じますね。もちろん木の香りにあふれています。

もうひとつ特徴的なのが、多種多様な樹種を使用していること。

ダイニングの床は木目が強く主張するミモザ。

齋藤さんの家

吹き抜けの壁はベイ杉。

齋藤さんの家

カウンターの天板や柱は国産のスギ。

齋藤さんの家

また扉類はマコレー等を使用しています。

「住まいは生活の場ですから雑多なものが入ってきます。素材に幅を持たせることで、雑多なものを置いても受け止められる大らかさが空間に備わるのです」(布施さん)。

 

家全体をひとつの部屋のように

共働きの夫妻が望んだのは、「家全体がひとつの部屋のような」住まい。

家族がしっかりとコミュニケーションを取れるように間取りが考えられています。

齋藤さんの家

上下階が吹き抜けでつながる構成は、お互いの声や気配が伝わりやすいだけではなく、高低差が空間にダイナミックな躍動感を与えています。

キッチンは家じゅうを見渡せる位置に。

齋藤さんの家

「リビングの大きな高窓から一面の緑が見えて気持ちがいいんです」(妻)。

妻は毎朝、お気に入りのキッチンに立つのが楽しいとか。

多忙な日々、この家から活力をもらっていると話します。

右手にキッチンを見つつステップを上がれば、家族団らんの場所、ダイニングです。

齋藤さんの家

公園に向かって開かれたダイニングは明るく、まるで広い庭があるような開放感。

ミモザのフローリングが、インドネシア製のダイニングセットの存在感と調和しています。

 

先ほどご覧いただいた大らかな吹き抜けは、2階から見ると、このとおり。

齋藤さんの家

「ごはんよ〜」「すぐ行くよ〜」。声もはっきり聞こえます。

「共働きだから、家族で一緒にいられる時間が短いので、どこにいても気配を感じられる家が希望でした」(妻)。

2階主寝室は吹き抜けに面しています。

左手壁の向こうの大型ウォークインクロゼットに、家族の衣類を集中収納。

齋藤さんの家

 

和室は両親が泊まりにきたときのための部屋で、縁なし畳の下には布団などを収納できるよう工夫しました。右の障子を開ければ、吹き抜けにつながります。

齋藤さんの家

その和室は子ども室とつながっています。

齋藤さんの家

現在は和室と子ども室の2部屋をオープンに使っていますが、将来は建具で隔てられるように、溝を彫ってあります。

 

ちなみに、1階にも子どもの勉強のためのコーナーを作りました。

小学生なので、個室ではなく家族の目が届く場所で勉強をしているそう。

齋藤さんの家

限られた面積の中にも、家族の成長に合わせて変えられるフレキシブルな空間が確保されているのはうれしいですね。

 

公園の緑を借景とし、風通しも得る

実は、不動産会社からは隣の土地を案内され、南面する学校の緑が気に入って決めかけていたといいます。

しかし、現地を訪れた佐藤さんと布施さんは、道路から奥まった公園側の土地を勧めました。

「齋藤さんは明るく風通しのいい家を希望されていたので、3方向に抜けのあるこちらのほうが有利でした。それに、敷地延長の路地を駐車スペースにすることで、家の前に庭もつくれると考えました」と佐藤さん。

齋藤さんの家

南西側が学校(写真手前)、北側が市の公園(写真左側)に接する敷地環境を生かし、プライバシーを守りつつ緑を借景として最大限取り込めるように窓を配置しました。

旗竿敷地を選んだおかげで、建物の前を駐車スペースでふさがれず庭を設けることができました。

齋藤さんの家

「庭を抜けて家に入ると、ホッとしますね」(夫)

南西側正面は高校の敷地で、鬱蒼と樹木が茂ります。

齋藤さんの家

こんなところにも緑を望める窓が……。

在宅で仕事をすることもある夫妻のため、1階にワークスペースを設けました。

パソコンから目を上げれば北側の公園の緑が見えます。

齋藤さんの家

2階浴室の窓は公園側を向いており、開放的。洗面・脱衣室は、間仕切りをガラスにしたことで浴室からの光をたっぷり採り入れます。

齋藤さんの家

床は足触りがひんやりしないパインの無垢材を採用しました。

差し込む光と木のぬくもりで、とてもリラックスできそうな浴室空間ですね。

 

木々に囲まれ、吹き抜けがつなぐ大らかな空間は、自然の中に溶け込んでいるような齋藤邸。

家族全員がリラックスでき、疲れも癒されるような家でした。

もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2017年9-10月号」を参考にしてみてくださいね。

 

設計/佐藤哲也+布施木綿子(佐藤・布施建築事務所

撮影/伊藤美香子

住まいの設計2017 9-10月号

住まいの設計2017年9-10月号

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Source: 日刊住まい