親が子どもと共に成長する“育自” について「アドラー式子育て」をおさらい

以前LAXICでは、「ほめず」「しからず」勇気づけて子どもを育てる「アドラー心理学」についてご紹介しました

以前もお話を伺ったアドラー心理学のプロフェッショナル、熊野英一先生が、親子教室「ここちの森」や、一時保育サービスを展開する伊勢丹新宿店の「ココイク」で、定期的に保護者向けワークショップ「アドラー心理学 勇気づけコミュニケーション講座」を開催していらっしゃるそう。

気になるアドラー心理学を初心に戻っておさらいすべく「入門編」に参加してきました。

子どもの自立を促す「勇気づけコミュニケーション」とは

ベストセラーにもなりました「嫌われる勇気」にもあるように、アドラー心理学では「勇気」という言葉がよく使われます。

勇気とは、目の前にある解決すべき課題や困難を克服する力。その力をつけるためには「ほめる」でも「しかる」でもない、ありのままを受け入れ、子どもの存在価値そのもの全てを受け入れることが大切。それが「勇気づけコミュニケーション」なのです。

子どもの “自立” を促す子育てには、この「勇気づけ」が不可欠なのですが、「ほめる」「しかる」を繰り返していると…親の想いとは裏腹に、子どもは「勇気がくじかれる」状態になり、我が子の自立の足を引っ張ることになるのです。何か新しいことをするときに「ぼく無理」「私やらない」と言う子どもが増えているそう。まさに勇気がくじかれている状態。では、一体どうすれば子どもは勇気づけられるのでしょうか?

子どもを”子ども扱い”しないで、一人の人として尊重すること

まずは自分が親としてどう関わっているか、知る必要があります。親の関わり方として、大きく分けて3タイプに分かれます。

傾向としては①か②のどちらかに偏る場合が多いのですが、③のいいとこ取りをするには、どうしたら良いのでしょうか。

朝食の時の飲み物を一つにしても、「オレンジジュースとりんごジュース、どちらにしますか?」のように選択肢を用意して、子ども自身に選ばせることが重要。そしてどれだけ忙しくても、できるだけ丁寧に接すること。丁寧に接してもらえたら、丁寧に返したくなる、これは子どもの気持ちになってみるとわかることですね。途中でりんごジュースが気に入らなくて、泣いてわめいてグズり始めたとしても「あれ?さっき、自分で選びましたよね?じゃぁどうしたらいいと思う? 自分で考えて」と。

大切なのは、子どもを子ども扱いしないで、一人の人間としてリスペクトして接すること。これは1歳ぐらいから始めても問題ありません。成長の過程に合わせて、少しずつ制限を外していくことで、自立を促していくのです。子育てはなに気ない日常の積み重ね。最初の1〜2週間は変わらないかもしれないですが、半年、1年続けると違ってきます。

「ほめる」「しかる」=子どもをコントロールしている

「ほめる」「しかる」を多用するとなぜいけないか。「ほめ」は基本的に上から目線なので、親子の上下関係が成立してしまいます。さらに頑張ったプロセスを励ますのではなく、結果だけをみて判断していることになります。そして「しかる」は、子どもの行動を支配するために使いがち。感情的になってしまっては、伝えたい本質が伝わりません。伝え方を改めて、どうして怒りたくなったのかを冷静に伝える方が有効的なのです。

ちなみに「すごいね! できてよかったね!」と、成長を喜ぶことはもちろん良いのですが、注意すべき「ほめ」と「勇気づけ」の違いってなにでしょう?

子どもに対して「いつも見ているよ!」を伝えること

「勇気づけ」で最も大切なのは良い時も悪い時も関係なく「あなたらしくいることが一番大切だよ」と言うことを伝えること。つい、なにか行動に対する評価や、親が気になるところばかりを指摘しがち。ジャッジするのではなく、「いつもあなたのことを大切に思っているよ!」そして「いつも見ているよ!」ということを伝えることが勇気づけにつながるのです。それでも困った行動に出る場合はどうしたら…?

もし注目を集めたくて不適切な行動をとっていた時は「あなたも嫌だったんだね。その気持ちはわかったよ。でもお母さんも困るからやめてほしい。お互いに良い関係を作りましょう」と丁寧に伝え、共感ファースト(まずは、相手の関心に関心を寄せること)を心がけましょう

子どもの心は大きなスポンジで、しかも超速乾性だとイメージしてください。すぐにカラカラになってしまいます。だから「いつもあなたのことをみているよ」とポタポタッと水を常に少しずつ垂らすイメージで、潤わせておくことが大切です。何か良くできた時だけバサーッ! と水を大量にかけてもすぐに乾いてしまいます。むしろ、ポタポタと、常にスポンジが満たされている状態にしておくこと。この状態が維持されることで、自立への力が備わるのです。

じつは筆者は一年前にも教わり、その後も本で何度も読み返していて「あぁそうだった、共感ファーストだよね」と思い出しながらも、気がつくと子どもを怒ってばかり…日々の行いを反省。終わってから正直にそのことを伝えると「それでいいんです。一度ですぐにはできません。お稽古と同じで、何度も何度も意識して取り組むことで、定着していきますよ」と励ましのお言葉。そうですね! こうして定期的に自分のことを省みる時間が大事なのですね! ありがとうございました!

次回は3月に開催予定なので、ぜひ興味を持たれた方は、ワークショップにご参加ください。詳しくはココイクHP、または株式会社子育て支援HPを参照ください。また、ワークショップには参加できない! という方はぜひ熊野先生の著書でご確認ください。

<熊野 英一さんプロフィール>

アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える〈親と上司の勇気づけ〉のプロフェッショナル。全国での多数の講演や「日経DUAL」「朝日おとうさん新聞」などでのコラム執筆を通して活発な情報発信も行う。約60の保育施設立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を創業、代表取締役に就任。2012年、日本初の本格的ペアレンティング・サロン「bon voyage 有栖川」をオープン。日本アドラー心理学会 正会員。

HP:株式会社子育て支援HP

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ライター 飯田 りえ
関西の女性誌編集部&MOOK編集部に勤務。とにかく自分で見て、歩いて、聞いて、食べて…… リージョナル誌編集者として7年過ごす。その後、結婚を機に上京しフリーに。雑誌、WEBを中心に幅広く執筆中。6歳3歳の男子に振り回されながらも「成長を見届けながらしっかり育児を楽しみたい!」と日々アクティブに活動中。

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Source: ハフポスト