箱根駅伝の解説が丁寧と評判の俳優・和田正人さん、元箱根選手の優しい視点

和田正人さん

「走ることと演じること」、この両者が最も近い俳優とも言える和田正人さん。連続テレビ小説『ごちそうさん』での好演をきっかけに、ドラマ『陸王』や舞台『光より前に』といった”走る”をテーマにした作品に数多く出演しています。

一方、走ることに関しても、経歴が輝かしい。改めてご紹介すると、高知県出身の和田さんは子供の頃から足が速く、中学生時代に駅伝大会に出場し好成績を残す。その後、推薦で地元高知の高校に進学し、日本大学へ。お正月の代名詞でもある箱根駅伝を2回走っており、4年生の時(2002年)には復路9区を区間記録第5位で走り抜けました。10000mを28分56秒00、ハーフマラソンを1時間2分24秒で走る足を持っています。

2018年度のNHKラジオのゲスト解説者としても活躍した和田さんが、箱根駅伝やSNSについて語ってくれました。ご自身が出場していた2000年頃から約20年近く経った同大会に、変化を感じているとのこと。

「僕が走っていた当時は15校しか出場していなかった箱根駅伝ですが、今回は23校も出場。各大学に1台の監督車もありませんでした。駅伝をするための環境が整いつつあることを感じています。また、10000mを28分台で走っている選手は一握りでしたが、今の時代ではたくさんいます。区間賞をとるような選手のスピードを見ていると、『本当に速い!』と驚きをもって見ています」

その一方で、「区間5位などを見てみると当時と記録がさほど変わっていないかも」と、箱根駅伝に出場した選手だからこその視点も教えてくれました。

和田正人さん

同大会を観て、そして、ご自身の言葉で解説する背景には、この大きなイベントへの感謝の気持ちがあるから。今、こうやって多くの人が注目している大会は、陸上競技を盛り上げる大きなきっかけと感じているのです。

沿道に多くの人が駆けつけ、TVで多くの人が観戦し、SNSで多くの人が投稿する。そんな陸上界の大型イベントですが、それ以外の大会に目を向けると驚くほどに関心が薄れてしまう現実が。陸上選手としての花形イベントとしては日本選手権があるのですが、箱根駅伝と比較するとまだまだ観客数に差があります。

箱根駅伝は多くの人が陸上競技に関心を持つチャンスと捉え、言葉を尽くして解説をしようとするのです。

言葉を尽くすといえば、Twitterを投稿しながら箱根駅伝を観戦している和田さん。その解説ぶりが丁寧で、評判を呼んでいます。

昨今のスポーツ観戦時に欠かせないSNSの存在。同大会でも、ドラマチックなシーンやアクシデントがあるとその投稿数がぐっと上がります。レースの状況に関して多角的な意見を知ることができるのも楽しみの一つ。選手をフォローすることでより親近感を持つこともできるでしょう。

また、一方で目を覆いたくなるような誹謗中傷を見てしまうことも。レース中のアクシデントは珍しくありませんし、襷が最後まで繋がらない大学もあります。それこそ箱根駅伝の見どころの一つであるシード権争いも。こういったドラマ性のある時にザワつくのがSNSです。

安易に出来事の背景を知らずに投稿することは危険と感じる和田さん、「SNSについてお話しするのは難しい」と言いつつも、言葉を選んで話してくれました。

和田正人さん

「SNSは便利なツールであるものの、目の前の情報を鵜呑みにしやすいところがあります。なぜ、そのような状況になっているのか、選手は、監督は、大会側は今、どういう思いなのか。当事者と関係性が近い人ほど安易に発言できないことほど、関係性が遠い人が勝手なことを言ってしまう。大会に携わる人たちのこれまでの努力や葛藤を知っていれば、自分の価値観と照らし合わせての発言は遠慮がちになると思います」

箱根駅伝に出場するまでの苦しみや難しさを知る人だからこそ、丁寧に理解して、発信することを心がけているのです。これは同大会に携わったことのあるすべての人の思い。

誹謗中傷が誰も幸せにしないだけで、もちろん、感想や意見にあふれることを喜んでいる和田さん。こういったSNS上の投稿内容の醸成が、箱根駅伝、ひいては、陸上業界全体の盛り上がりに繋がっていくのではないでしょうか。

和田正人さん

和田正人(わだまさと)1979年8月25日生まれ。高知県出身 O型

日大在学中2度箱根駅伝に出場し4年次は主将を務める。競技引退後は俳優に転身し、ランナーの経験を生かしてTBSドラマ『陸王』、舞台『光より前に~夜明けの走者たち~』などにも出演

★映画「空母いぶき」監督:若松節朗2019年公開

★NHK8Kドラマ「浮世の画家」演出:渡辺一貴

※同記事は『Runtrip Magazine』に掲載されたものを加筆・編集したものです。

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Source: ハフポスト