週刊SPA!編集部と直接対話 「ヤレる女子大生ランキング」に大学生が聞きたかったこと

山本和奈さん

「週刊SPA!」の特集記事「ヤレる女子大生ライキング」をめぐって抗議の署名活動を行っていた大学生グループが、1月14日夕、扶桑社の週刊SPA!編集部と話し合いを行った。この4時間前、「この問題について広く意見が聞きたい」と大学生グループがSNSで呼びかけ、都内でミーティングが開かれた。ライブ配信も行ったミーティングには約50人が会場に足を運び、熱気があふれた。

署名活動を行う大学生グループのメンバーら(中央が山本さん)

ミーティングを呼びかけたのは、オンライン署名サイトChange.orgでキャンペーン「女性を軽視した出版を取り下げて謝って下さい」を立ち上げた国際基督教大学4年の山本和奈さん(21)。1月4日、記事の撤回と謝罪などを求めて英語と日本語で署名活動を開始し、14日午後4時時点で約5万筆が集まっている。

山本さんは「これまでにも同じような内容の記事を、コンビニや電車の吊革広告で見てきた。SPA!の記事はきっかけに過ぎないけれど、もう耐えられない。ランキングにICU(国際基督教大学)が載っていてもいなくても、声を上げるべきだと思った」と署名活動を始めた理由を説明した。

 

彼女たちが週刊SPA!編集部にどうしても聞きたいこと

週刊SPA!編集部が最初にコメントを発表したのは1月7日。「扇情的な表現を行なってしまったこと、読者の皆様の気分を害する可能性のある特集になってしまったことはお詫びしたい」という謝罪の文面に対し、山本さんは「論点が全くズレている」として直接対話を求めた。

なぜ書いたのか、どういうプロセスで書いたのか、疑問に思った人はいなかったのか。この記事を通して何を伝えたかったのか。週刊SPA!はどんな世界を作りたいのかーー。知りたいです。

雑誌の廃刊が問題の解決だとは思っていません。こちらの意見を押し付けたり、「私たちVS雑誌」、「女VS男」にはしたくない。今後の対策、問題の根本解決について話し合えたらと思っています。編集部の1人を説得することもできなければ、社会を説得することはできない。逆に1人が説得できたら、みんなに伝わるんじゃないかと思っています。

扶桑社との対話前に行われたミーティング

「週刊SPA!」だけではない、「男VS女」でもない

女性を性的にランク付けしたり評価したりする言説は、メディアにあふれている。

「週刊SPA!」でも、問題となっている特集「ヤレる女子大生ライキング」以外にも、過去には「合コンお持ち帰り率の高い大学」「ヤリマン生息数の多い大学」など、女性を性的な消費の対象として軽視するような特集を組んできた。だが、これまでは今回のように問題視されてこなかった。

山本さんは「週刊SPA!をきっかけにして、他のメディアとも話し合いの場を持ちたい」言う。

電車のつり革、コンビニの雑誌売り場。誰でも、子どもでも見える、手に取れるところにこういう雑誌がある。それを問題視しているんです。

メディアの影響は大きくて、見ているつもりがなくても見知らぬうちに目に入ってしまう。女性は軽視されることに慣れてしまって、声を上げにくくなる。4歳の時から女性がランク付けされているのを見ていたら、それが問題だと思わなくなってしまいますよね。

日本では女性をモノのように扱うこと、性的に扱うことは人権問題だという概念が浸透していない。だから「何がいけないの?」「こんなの他にもたくさんある」という声もある。

でも、海外文化に接したことがある人たちには、違うように見えている。外国から人を呼んだ時に、コンビニにこんなタイトルの雑誌があるのが恥ずかしい、と言われているんです。

ミーティング会場には約50人が足を運んだ

山本さんは「男VS女にしたくない」と何度も強調した。

この手の記事を男性が喜んでいるという印象を与えるもの失礼ですよね。こういう問題が海外で報じられて、日本の男性のイメージが落ちているのに、男性に対しても失礼だと思います。

若者が声をあげる意味

参加者からは、声を上げにくい社会を打ち破ってくれたグループの活動に感謝する声が上がった。

イギリスの大学に通っていたという女性は「海外経験があると上から目線だとか、いろいろ言われると思うし、もう言われているかもしれない。でも、どうか負けないでほしい」とエールを送った。

アメリカ人の留学生は「この先、何年日本に住むか分からない。それでも、私が何か言えば『日本人じゃないんだから黙ってな』と言われると思う」と、声を上げる「資格」が問われることへの疑問を呈した。

参加者の中には、グループの親世代の姿もあった。

企業の男女別採用に対して記者会見で異議を唱えた経験がある女性(46)は、「性的に過激な記事が売れるから、という理由で差別的な記事が出るのは今も変わっていない」と訴えた。

バブルが弾けた90年代前半、就職難の時代に企業は『男子のみ採用』と謳っていて、女性は面接で「彼氏いるの?」「性経験はあるの?」といった質問をされたり、スタイルをからかわれることもあった。

当時、週刊誌の取材で、同じ媒体から2人の記者が来ました。一方は真面目に問題を取り組んで質問し、他方は「ホテルに連れ込まれたりしたの?」「セクハラの過激な内容を知りたい」と性的な質問に終止。誌面に載ったのは後者でした。

売れるのは、そういう性的な記事なのかもしれない。それが今も変わっていないと思い、この署名に参加しました。

山本和奈さん

山本さんは、「『フェミニズム』というと敬遠する女性も多いけれど、上の世代の方たちが戦ってくれたから今がある。だから、今回は私たちが行動したいなと思った。(署名の)呼びかけに多くの人が応えてくれたことが、とても心強い。感謝でいっぱい。若者が声を上げるのはすごく大事だと思っています」と力強くバトンを受け取った。

山本さんを中心としたメンバーは、ミーティング後すぐに扶桑社へ移動した。

週刊SPA!編集部との直接対話の内容は、取材次第追加します。

Source: ハフポスト