さびしさを抱えているときに。人とつながりたくなる小説『ギリギリ』

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今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、原田ひ香の小説『ギリギリ』

愛について、悲しみについて、結婚について、思いを巡らさずにはいられない。妻、夫、元姑のつながりが心にしみる物語です。


ギリギリ
著者:原田ひ香
出版社:KADOKAWA

たぶん、みんなさびしい。夫を過労死で亡くした瞳、彼女の再婚相手で脚本家の卵・健児、前夫の母・静江。この小説の登場人物は、亡くなった夫も含めて、誰にも癒せないさびしさを抱えて生きているのだと思う。

三人の想いが語られるなかで、それぞれが心に秘めている複雑な感情が明らかになっていく。瞳の亡き夫への愛、健児の瞳への一途な愛、静江の息子への揺らぐことのない愛。三人の気持ちの根底にあるのは愛だけれど、そこには後ろめたさや迷いが入り混じっている。

仕事で忙しい瞳のためにおいしいごはんを作って待つ健児だけれど、ある夜、チェリーをシンクで洗いながら涙をこぼす。前夫への瞳の強い愛に打ちのめされた時のことを思い出しながら……。

一見、平穏で優しさに満ちた生活のように思えるけれど、心はいつもチクチクしていて、いったん涙がこぼれたら止まらない気がするのです。そんななか、健児と静江が心を通わせるシーンがとてもいい。さびしい時、気持ちがささくれだっている時にこの小説を読むと、じんときます。

原田ひ香さんの小説、以前ご紹介したこちらもぜひどうぞ。
『アイビー・ハウス』
『彼女の家計簿』

Love, まっこリ〜ナ

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Source: 朝時間.jp